片平里菜 RINA KATAHIRA OFFICIAL WEBSITE

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2015.07.24

「誰にだってシンデレラストーリー」オフィシャルインタビュー掲載!

■大きなキャパをちゃんと受け止められるようになった

──弾き語りツアーも佳境ですけど、手応えはいかがですか?(※取材時はツアー終了前)

調子はまずまずといった感じです。このツアーは本当に今までと違っていて、純粋にライブが楽しいし声を出していて気持ちいいし、お客さんとの対話も自然と楽しめてるというか。自分の技量がどんどん上がってるというのもちょっとはあると思うんですけど、今までで一番楽しいツアーだと感じてます。

──それだけ楽しむ余裕が出てきたってことなんでしょうね。

そうかもしれないですね。以前はヒヤヒヤするような緊張感があったと思うんですけど(笑)。

──確かに片平さんのライブの雰囲気は、昨年後半のバンドツアーあたりからちょっと変わってきた印象がありまして。

本当ですか?

──あのツアーを観たとき、もっと大きな会場に出ていってもちゃんと伝わるようなパワーをすごく感じて。今はそれを1人で引き受けて、弾き語りという形でライブを行ってるわけですもんね。

自信が付いてきたのかもしれないですね。前のツアーではリキッドルームという大きなキャパを、ちゃんと受け止められるようになったのが結構大きいというか。

──しかも、そこに集まった人たち全員が片平さんを観に来てるわけですから。以前だったら「片平里菜って誰?」みたいに様子見でライブに来る人も多かったし、明らかにあの頃とは状況が変わってますよね。

うん、違いますね。それと今はお客さんとの距離感が、以前よりも近く感じるんですよね。たぶん私の曲に親しみを持ってライブに来てくれてるから、友達みたいな感覚に近いのかも。今回のツアーで実感したことなんですけど、ライブ自体に来るのが初めてというお客さんがまた増えているんです。たぶん中高生の頃に「閃光ライオット」や「SCHOOL OF LOCK!」に出会った世代の子たちが、高校生、大学生になってちょっと余裕ができて、ライブハウスに行けるようになったタイミングなのかもしれないですけど、それもすごく新鮮で。

──それ、すごいことですよね。人生初ライブが片平さんのライブなわけですし。

ふふふ(笑)。みんな、ライブハウスに入るまではすごいドキドキして、「どんななんだろう?」とか怖いでしょうし。よくTwitterでも「初めて1人で行くんですけど、大丈夫ですかね?」という声があって。でも、そこで味をしめてもらえて、次につながってる感じはすごいあるのでうれしいです、そういうお客さんがいるっていうのは。

──Twitterでの反響も、以前と比べてすごく目に見えてくるというか。ライブの感想を自分で検索しなくても、知らず知らずのうちにどんどん情報が流れてくるし、そのへんの状況は変わったなと思うんです。

確かに拡散力はどんどん上がってる気がします。あとやっぱり、情報を発信してくれる人……ライブの感想を丁寧に書いてくれる子は大体若い女の子なんですよね。それは自分にとって強みだなって。

■自分の知らないところで話題が一人歩きしてる

──改めて今年前半を振り返ってみたいと思います。まず2月にシングル「誰もが / 煙たい」のリリースがあり、それ以降もサントリーチューハイ「ほろよい」のCM出演といった露出もあって、いろんなところで目にする機会が増えました。

そっか。実は私、潜伏期間じゃないけど、2月にシングルをリリースしてから今回の「誰にだってシンデレラストーリー」まで結構間が空いた感じがしていたんです。そんなに曲も発表してないし、ツアーも以前と比べたらキャパこそ大きくなったけど本数は減ったし。だから自分の知らないところで話題が一人歩きしてる感じがあったんです、今年の上半期は。

──確かにCDという形でのリリースは少なかったけど、実は楽曲自体はひんぱんに発表してたんですよね。まず「J SPORTS STADIUM」のテーマソング「スターター」があって、ドリカムの「眼鏡越しの空」カバーもあった。さらに映画「かぐらめ」の主題歌に新曲「姿」を書き下ろしたりと、ちょいちょい新しい楽曲を耳にする機会はあって、外から見てると常に動いている感じがあったんですよ。

外からかあ。たぶんそこの違いですかね。以前はシングルをリリースしたら地方を飛び回って、リリースイベントをやって何十人もと握手してというのを毎日やって。それがリリース月はずっと続いてたじゃないですか。で、2、3カ月後にまたそれがあるというサイクルだったから、今はあんまり実感がなかったんです。

──またいいタイミングで新しい情報がどんどん出てくるから、活動が途切れた感じが全然しないんですよ。しかもデビューから地道に種蒔きを続けてしっかりファンを付けたことで、情報拡散を自然とやってくれる人たちもどんどん増えたわけですし。

確かに。でも自分の目の前のことがすべてになっちゃってたから、外からそう見えてたなんて気付きませんでした。

■本当の「ポップス」というのが今の私には必要

──そして6月末には「CDTVスペシャル」で新曲「誰にだってシンデレラストーリー」を初披露しました。インパクトありましたね、いきなり新曲というのは。

事前に言ってなかったですからね。完全にサプライズでした、ふふふ(笑)。

──前作「誰もが / 煙たい」ではソングライターとして新たな一歩を踏み出した作品だったと思うんですが、今回の「誰にだってシンデレラストーリー」も今までにないくらいにポップで、すごく構成が練られた面白い曲ですね。

この曲の種自体は、実は1、2年前ぐらいにはあって、ずっと寝かせておいたんです。で、「誰もが / 煙たい」をリリースして、次をどうしようかというときに、スタッフさんたちとちょっと作戦を立てて。今まではなんとなくひとりでギターを弾いてたらできた曲、気分のままに作った曲がほとんどで、シングルのために曲を書くということが今までなかったんですよね。だから今回は戦略的に、どんな人に聴いてもらいたいかとターゲットを定めて書いてみようと。私ぐらいの大学生や中高生の女の子めがけて作りたいなと思って、もともとあった「誰にだってシンデレラストーリー」の種をどんどんブラッシュアップして完成させました。

──シングルのために曲を書くというのは初挑戦だったんですね。

そうなんですよ。今までの私を知ってる人にとっては、タイトルや歌詞の内容が結構センセーショナルな曲なんじゃないかな。でもあえて狙ってやってみるという領域にもう来てるのではないかとスタッフさんが提案してくれたんです。

──やっぱりヒットソングというか、幅広く多くの人に聴いてもらえる曲は欲しかった?

もちろん。もっともっと伝えたい言葉、伝えたい歌というのが自分の中にいっぱい蓄えてあるので。でもそれだけじゃダメというか、わかってくれる人、自然と集まってくれる人にだけ聴いてもらうのは簡単だと思うんですけど、それよりももっと多くの人に知ってもらうこと、つまり本当の「ポップス」というのが今の私には必要なんだと思ってるんです。

──そういう意味では、2年前に発表した「女の子は泣かない」も片平さんのポップサイドを象徴する楽曲ですが、今でもすごく多くの人に愛されていますよね。

それはすごい感じます。ライブで歌うと、女の子たちが泣いてる姿をよく目にするんです。それが本当に好きな光景で。当時は気付いたらロックの世界に根付いて活動していた時期で、キラキラしたポップな曲に免疫がなくて、最初は「女の子は泣かない」をすごい敬遠してたんです。でも実際こうやって広く愛されて、ライブでもお客さんが泣きながら歌ってるという光景を見ると、本当にポップスってすごいな、素晴らしいなって、最近は特に思います。

──メッセージソングや自分の内面を吐露するような楽曲ももちろん必要だし、片平さんの一部だと思うんだけど、その中にもポップな側面というのは無意識のうちに出ていたわけですよね。

そうですね。たぶん曲なんていくらでも書けると思うんですけど、そこから先に進めるには自分の中に「この曲は絶対に形にしなければ」という基準があって。これなら自分も泣けるし、たくさんの人に聴いてもらえそう、引っかかりそうという基準が絶対にあって、「女の子は泣かない」や「夏の夜」やどこかでそういう自分に達した曲なんですよね。

■タイトルだけ見たら拒絶する人もいるかもしれない

──今までの話を聞いていると、いい意味で余裕が出てきたなという感じがして。もちろん制作は大変だったと思うんですけど、外から見ていると今まで以上に懐の広さみたいなものを感じます。

そうですかね。でもたぶん、この次に控えているアルバムのイメージがなかったら、「誰にだってシンデレラストーリー」は出してなかったと思います。次のアルバムにどういう曲を収録したいかっていうイメージが自分の中にあるから、今この曲を出すべきだ、今このポップな曲を知ってもらいたい、そしてこの曲を通じて片平里菜というソングライターを知ってもらいたいと思ったんです。だから最終的には、この曲を聴いて私のことを知って、次のアルバムまで手を伸ばしてもらうのが理想ですね。

──さっきも言ってましたけど、タイトルのインパクトも抜群ですね。「シンデレラストーリー」という言葉のチョイスもそうですし、2作連続で「誰」から始まるタイトルというのも印象的ですし。

本当だ(笑)。好きですねえ、「誰も知らない自分がいる」とか「誰もが」とか(笑)。

──「シンデレラストーリー」ってすごくキャッチーだけど、最近はなかなか使わない言葉ですよね。どちらかというと、ポップスの黄金時代によく用いられたフレーズ感が強いかなと。

ああ、わかります。しかも田舎もんが東京に出てくるって感じがありますしね(笑)。それにこのタイトルだけ見たら、「うっ」って拒絶する人もいるかもしれないし。今はみんな現実的だけど、どこかにシンデレラストーリーに憧れるような気持ちもあると思う。本当はなりたいものになりたいし、キラキラした結婚式を挙げてっていうのも心のどこかにあるけど、現実的に無理だっていう。

──でも、ポップスってそういう夢を見られるというか、夢を与えられるものであるべきで。たとえそれが嘘だとしても、曲の3分間は夢を見られるのがポップスだし、聴き終わったときに自分も変われるんじゃないか、がんばれるんじゃないかっていう、そういう気持ちにさせてくれると思うんです。

そうですね。なるべく上部だけの、タイトルのイメージどおりの曲にしたくなかったから、自分が東京に出てくる前に福島でアルバイトしてたこととか、アルバイトして東京に通って、とぼとぼ街を歩いてたりとか、そういう情景とかも想像していて。私もそうですけど、きっとほとんどの女の子はみんな自分に自信がないし、みんなモデルみたいに顔がよくてスタイルがよくてってわけじゃないし、そういった現実も曲の中にしっかり投影させたいなっていう意図もありました。

──後半、落ちサビの「わたしなんかわたしなんかってもうやめにして」ってラインも強く耳に残ります。

ありがとうございます。結構みんな同じことを思っているんですよね、女の子は。そこを汲み取ってあげないと、ただのおとぎ話になってしまうので。実はこの曲、さっき電車に乗って聴いてたら「あ、いい曲だな」って思うようになってきて。いい曲だとは思ってたけど、すごく自信が持てたのはついさっきなんですよ(笑)。

■メロディと言葉の相性の判断は自分にしかできない

──カップリングには先行配信されている「スターター」が収録されます。アレンジ的にオルガンの音がアクセントになっていて、とても新鮮でした。

なんかすごく変わった2曲ですね、今回は。

──聴いていて思ったんですけど、歌うキーが高すぎず低すぎずのバランス感ですね。

そうですね。自分は低い声のほうが好きで、特にこの曲は「J SPORTS STADIUM」のテーマソングとして書き下ろしたものだし、ちゃんと選手に寄り添った曲にしたいと思ったので、落ち着いた印象ながらも躍動感のある曲にしました。キーが落ち着いた感じなのも、その影響かもしれません。

──それにしても、テーマを与えられて新曲を書き下ろす機会がどんどん増えてきてますね。

増えてますね、うれしいことに。しかも仕事としても面白いんですよ。今のモードではないのかもしれないけど、ちょっと前の自分に重ね合わせると毎回いろいろと引き出されるものがあって。毎回「これが最新の私です」って更新していくのも素敵だと思うんですけど、それだけでも面白くないと思いますね。そのどっちも必要なわけで、バランス良く出していくのが一番なんじゃないかな。

──以前よりも、そういう歌詞の書き方ができるようになってきた?

うん、そうですね。昔よりは書けるようになってきたと思うけど、正直私は全然詩人じゃなから(笑)。言葉を紡ぐのが本当に下手くそというか、「これ、文法として意味合ってるの?」みたいなのばっかりで。でも自分の中から出てくるメロディと言葉の相性がいいか悪いかっていう判断は自分にしかできないし、そこが一番のオリジナリティだなと思ってます。ただ朗読をするだけでも人の心や体の中に入ってくると思うんですけど、絶対に歌やメロディに乗った言葉のほうがスッと入って行きやすいし。そうやってメロディに歌詞を載せるのが楽しくて仕方ないんです。最近ツアーのアンコールでブルーハーツの「青空」を毎回歌っていて。最近はああいう本当に幼くてもわかる言葉をメロディに乗せて歌っているブルーハーツの歌とか、自分が幼稚園で歌っていたような曲をたまに思い出すんです。それこそ「歩こう」も「手のひらを太陽に」もすごくいい曲なんですよ、当たり前すぎるんですけど。そういう美しい言葉っていうのが幼稚園生でもわかる表現でで、でもロックしてるみたいなのがカッコイイと思いますね。

──結局はそれが究極ですよね。

そう思います。それこそがロックであり、ポップスである、パンクなんだと。

■今はすごいオープンマインドです

──そしてもう1つのカップリング曲が「サマーキャンプ」。

結構前からある曲で……以前のスタッフさんのお気に入りで、ライブでもよく歌うんですけど、お客さんも好きみたいですね。この歌詞は完全に妄想で、大学生が男女6人くらいでキャンプしながらイチャイチャしてるみたいな(笑)。私の叶わない青春のキャンパスライフを妄想して書いただけなんですけど、その距離感がいいんでしょうね(笑)。

──「誰にだってシンデレラストーリー」「スターター」の後に「サマーキャンプ」みたいなタイプの曲が来ると、また意外性があって面白いですね。

ある意味、音楽的にもポップスからかけ離れてるのかな。

──歌詞も三者三様で。

確かに全部違いますね。どれも全然違う時期に書いているし。ビックリですね、こうやって続けて聴いてみると、いろんな自分がいるなって。

──まだありそうですね、お客さんが知らない片平里菜の顔というのが。

本当に未知ですよ、自分でも(笑)。

──この3曲を引っさげて、2015年後半はどういう感じにしていきましょうか?

下半期は与えられたものをなんでもやって、なんでも見てみようかなと思います。何か1つを選ぶのはもっと先でもいいし、失敗して許されるのも20代前半の特権だと思うので、いろいろやって全部糧にしたい。だから、ある意味去年よりももっと露出も多くなるかもしれない。

──すごく貪欲さが感じられますね。

今はすごいオープンマインドです。なんでもやりますっていう(笑)。

──とにかくやってみないことには、何が自分に合っているのかもわからないですからね。

うん、そうですね。まだ私には自分のことを正確に見極める目はないかもしれないので、これしかやらないというのは今はいいかな。いろんなことを経験してみたいし。

──そこで経験したことが後になって曲に反映されるでしょうし。それこそいろんな人とつながりを持つこともそうですよね。例えばラジオで細美武士さんやcinema staffとセッションしたり、それこそドリカムのトリビュート盤参加もそうだし、そういうところで片平さんの音楽を広がるきっかけを作っているわけですし。

いいですよね、ミュージシャンと一緒に何かやるって。お互いを高め合えるし、シーン全体をどんどん良くしていけてる感じがあるから。そういう横のつながりも大切にしたいです。

(取材・文 / 西廣智一)

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5thシングル「誰にだってシンデレラストーリー」
2015年8月26日(水)リリース
■CD収録内容:
01. 誰にだってシンデレラストーリー
02. スターター
03. サマ―キャンプ

■初回限定盤(CD+DVD)/PCCA-04276/\1,800+税
■通常盤(CD ONLY)/PCCA-04277/\1,200+税
■初回限定盤DVD収録内容
ライブ映像&ライブドキュメンタリー
(片平里菜 弾き語りワンマンツアー2015〝最高の仕打ち〟@TSUTAYA O-EAST)

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